ヨモギサワ・ヨコボリ・ヒロフサ

思考の結果を徒然なるままに…

『HUNTER×HUNTER』の視点

冨樫義博HUNTER×HUNTER』が連載再開するらしいので記事を書いてみる。

 

今回の再開は長く続くといいな……。

 

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HUNTER×HUNTER』に出てくる視点は、私が考える教育の視点と重なる事が多々あるので、その事について書く(以下、引用は【巻数ーページ数】と記す)。

 

 

・「その人を知りたければその人が何に対して怒りを感じるかを知れ」【1ー54】

 

ミトおばさんがゴンに教えたという言葉。

相手が何をどう評価するのか、何にどういった反応を示すのか、といった事はすべて相手の事を知る事につながりますね。

 

・「どちらを選んでも本当の正解じゃないけどどちらか必ず選ばなくちゃならない時…いつか来るかも知れないんだ」【1ー81】

 

ハンター試験本会場に行く途中のチェックポイントクリア後のゴンの言葉。

思考練習系の問でのテストをする人間は現実世界にも多いけれど、私は基準が無い問でテストをする事に反対。

だって恣意的な「人間性の選別」に過ぎないでしょ…。

でも少年マンガでこうした問を投げかけておくのは面白い試み。

 

・「あくまで料理を通して観察力や注意力を測るテストだったはずなのに」【2ー71】

 

「評価基準を公表すると、そこに特化される恐れがある。」という話をネット上で見た事がある。

とても得心のいく話で、以来、気をつける様にしている。

ちなみに上のは試験官が「評価基準」を恣意的に変えてしまった場面での台詞。

こういう事ってよくありそうwww

 

・「オレはもう負ける気満々だがもう一度勝つつもりで真剣に勝負をしろと その上でお前が気持ち良く勝てるような勝負方法をいっしょに考えろと」【4ー163】

 

「お前の話は聞きたくないが、オレが何かを出来るようにしてくれ」という人はよくいる気がする…。

 

・「昔の訓辞に『物事とは中途半端に知ることで 何も知らないよりわからなくなる』とあります」「生兵法は大怪我の元ってやつね (略)」【6ー32】

 

「生兵法は大怪我の元」は普段使いますね。

私が中等教育者の質を見分ける際に「言われた事を教えて『下』」と言っているのは、この事を意識しているからです。

 

・「『念』は使い方を間違えればおそろしい武器になってしまうから」【6ー43】

 

ウイングが「念」ではなく「燃」を教えた理由。

これ「念」でなくて「知識(情報)」としても一緒。

日本の教育業界で「生兵法」しか教えていないのは、もしかしたら同じ理由なのかしら。

そうしたらヒトジュクはやってはいけない事をやろうとしている事になってしまうわね…。

でも、私だって当然この視点は持ってます。

 

・「彼の念に対し君たちはあまりに無防備だ 極寒の地で全裸で凍えながら なぜ つらいのかわかっていないようなもの」【6ー58】

 

大学生の時、同期に指摘され読み返し、「なるほど」と思った台詞。

「知らなきゃ気付けない」というのは現在の私の教育論の根幹をなす視点のひとつ。

 

・「キミの敗因は容量(メモリ)のムダ使い」【6ー197】

 

この言葉は私の中で長い間課題となっていた。

身体能力においては「容量(メモリ)」のイメージは確かに当てはまるが、思考能力においては当てはまらないだろう、というのが現在の私の到達点。

このマンガに出てくる「念」能力は、身体能力のイメージに近いが、学校の教科といった方面とは全然違う。

 

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上記のように、いろいろと一般化された視点が出てくるのだが、特殊な台詞は無いな…、なんて思い始めたので、この辺りでやめておく。

 

キルアの育て方には「支配」の視点が多く含まれている。

 

幻影旅団の考え方は「強者」の論理が含まれている。

そこには私がまだ解決の糸口すら掴めていない「信念を持った人権侵害者」という問題がある。

 

グリード・アイランドなどでの「念」の修行は、中等教育の分野でもあんな風に整備出来たら…、と思えるシステムも出てくる。

 

 

ただこれらは、冨樫義博氏の思考の一部でもあるのだろう。

 

ゴンやキルアの家庭環境やその描写から垣間見える家族観。

キメラアントとの戦いの中で描き出される人間観。

ハンター協会会長選やゾルディック家のゴタゴタから見えてくる組織論や個人の持つ力について。

 

なんだかんだ言って、希望に満ちあふれているマンガだと感じる。

 

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付箋を貼りながら全巻読み、気合いを入れて記事を書こうと思ったのだが、結局、中途半端になっちまいました…。

 

でも冨樫義博氏の『HUNTER×HUNTER』は尻切れとんぼにならないといいな。

 

とにかく連載再開ありがとう。。